メタ認知能力という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
メタ認知とは
つまり、自分がわかってるということがわかるってこと。言い換えるなら、「わかってないということがわかる=無知の知」という事です。いかに自分自身を客観視できるか。これは若手社員に限らずすべての社会人に必要な要素だと僕は思います。
もくじ
メタ認知能力が高い人の特徴
メタ認知ができている人は以下のような特徴があります。
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- 感情をコントロールできる
- 気配りができる
- 自身の改善を繰り返す
- 見栄を張らない
- マネージャー、リーダー向け
その1.感情をコントロールできる
自分を客観視できるわけですから、自分がイライラしていることもしっかり自覚しています。もう一人の自分が自分を見ているような感覚ですので、非常に落ち着いて認知しています。ですので、怒りをぶちまけてしまいたいような事があっても自分自身にブレーキがかけられます。
「気分によって指示が変わる」という上司はいませんでしょうか?そのような方は、残念ながら自分を客観視できていません…。感情をコントロールできなければ、常に建設的に議論をすることができません。上司が気分屋だとかなりしんどいと思います。
その2.気配りができる
自分自身をしっかり見られる人は相手のこともよく見れています。
例えばある話題で盛り上がった場合などに「Aさんはさっきオフィスに来たばかり。だから今の話を呑み込めていないはず。疎外感を感じてるかもしれないから話の骨格を話してあげよう」というように、相手の立場で考える事ができるので、気配りに優れています。
簡単な例でいえば、例えばスマホについて説明をする際、現役大学生に説明するのとご老人に説明するのでは使うワードやどこから説明するかを変えると思います。これもある種相手の状況(ここでは理解度)を察することができていると言えます。
このように、自分自身を客観視するクセをつけると、自然と周りの人に気配りができるようになります。と同時に、自分の態度や発言で相手がどのように感じるのかという想像力も鍛えられます。
その3.自身の改善を繰り返す
自分のことを客観的にみられている人は、自身の改善を繰り返します。自分のことがよく見えているので、自分が完璧ではないこともよくわかっているます。そしてそのことを受け入れない姿勢が好ましくないこともわかっているので、自分の至らなさを素直に認められるのです。
例えばこんな感じ。
自分はわりと几帳面で丁寧な性格だ。だから文章を丁寧に書く。それはいいのだが、メールがややくどくて長くなってしまうクセがある。よし、うまく要約できるよう勉強しよう。
今日部下に注意をしたが、少しトゲのある言い方になってしまった。自分は直情的なところがあるので、今度からイラッときてしまったら一旦深呼吸してから話すようにしよう。
その4.見栄を張らない
プライドが高い人は、否定されるのが大嫌い。自分に欠点がある、もしくは欠点があると思われることが我慢できません。ですから知らないことを言われたら知ったかぶりをするし、ちょっとだけ知っていることでも難しい専門用語を駆使してマウントを取ろうとします。でもメタ認知能力が高い人(メタマッチョ)は自分が完璧でないことが普通です。知らないことに出会ったら「へぇ~」と素直に驚き、相手が部下や後輩であっても「もっと教えて」と素直に吸収します。
その姿勢は周りの方から見ても好意的です。プライドが高い人はいずれ周りに人がいなくなっていくでしょう。
その5.マネージャー/リーダーに向いている
以上のように感情をコントロールでき、気配りができ、自分自身の改善を繰り返し、見栄を張らない人。こういう人はイマドキのリーダーにぴったりの人材です。今の時代は昔のようにお山の大将で鬼の形相でチームを引っ張り、背中で見せるタイプよりも、部下と一緒に走る伴走型リーダーが求められていると言われています。上記の特徴の人はどうでしょうか?きっと頭ごなしに怒らない。いつも見ててくれる。自分自身も成長しようとしている。なんなら部下からも学ぼうとしている。このような姿勢ですから人望も厚いし、吸収力/修正力/課題抽出力が高いから能力も高い。最高じゃないでしょうか?チームをまとめる立場の人やそこを目標にしている人は是非ともメタ認知能力を高める練習をしてほしいものです。
メタ認知能力が低い人の特徴
では逆にメタ認知能力が低い人の特徴はどんなものがあるのでしょう?
- 場当たり的
- 感情に左右されてブレまくる
- マウント取りがち
- 空気が読めない
その1.場当たり的
物事を俯瞰的に見ることができていないので、問題が生じたときにその場その場で近視眼的に思いつくままに対処します。当然場当たり的な対応となってしまいます。一方俯瞰的に物事を見れていれば、問題の根本原因や問題の構造が見えているので長期的な視点で対応策を考える事が出来ます。
その2.感情に左右されてブレまくる
先ほどの「場当たり的」にも関連してきますが、物事の本質を見ることができていないのでその時の感情で行動を決定します。結果、その時々の感情に左右され、行動や指示がブレまくります。これでは部下や周りのメンバーはたまったものではありませんよね。
その3.マウント取りがち
メタ認知能力が高い人の特徴でご紹介した「見栄を張らない」の真逆です。メタ認知能力が低い人は自分の未熟さを受け入れることができていないので、人より劣っているという事を認めたくありません。そのような潜在意識が影響し、少しでも相手の上に立とうとしがちです。
相手が理解しやすいかどうかは度外視して難しい専門用語を多用し、マウントを取ろうとする姿は決して気持ちのいいものではありません。そのことに気付けていないのは、まさにメタ認知能力が低い人の特徴です。
その4.空気が読めない
基本的に空気が読めない人というのは、メタ認知能力が低い場合が多いです。周りのみんなが望んでいることや話の流れを読めず、またそこで自分がどのように行動すればどうなるのかが見えていないという事です。
バラエティ番組で陰ながら進行をサポートする女子アナウンサーは、自分の役割と場の空気とを常に考慮に入れた行動をするまさにメタ認知のモンスターだと僕は思っています。
メタ認知能力を高める方法
ではどのようにすればメタ認知能力を高めることができるのでしょうか?色んなサイトで紹介されているものとは少し違う僕流のトレーニング法をいくつかご紹介します。
- 一つの出来事を紙に書き出して振り返る
- 自分の棚卸をする
一つの出来事を紙に書き出して振り返る
何か感情の起伏があったできごとを振り返りながら紙に書き出します。特に自分自身の感情面はどうだったのか、そのように感情が動いたことから、自分はどのような人間だと言えるのか、と分析します。
例えばこんな感じ
⇒話を聞いた時、出し抜かれた感じがして悔しかった。⇒実は負けず嫌いで、知らず知らずのうちにA君をライバル視していたことに気付いた。
⇒「自分のペースが大事」とは本当に思っていたが、今回は平静を装うために言った感じがある。⇒動揺を悟られたくなくとっさに見栄を張ってしまった。⇒今思えば負け惜しみのようでカッコ悪い。もっと自分の気持ちを素直に表に出した方が頑張れる気がする。
紙に書き出すという作業をすることで自分の気持ちを整理できます。そして勇気を出して自分の欠点を見つめ直し、こうした方がいいかな?と改善を加えます。間違っても、いいように解釈して自分の欠点から目を背けてはいけません。まずは日記をつけてみるところから始めるのも有効です。
自分の棚卸をする
自分を知るという事ですが、大きく分けて2つあります。
- 人に聞く
- ツールを利用する
人に聞く
一つ目は「自分をよく知る人に自分のことがどう見えているか聞いてみる」ということです。聞かれた相手が答えやすいように具体的にポイントを絞って聞くといいと思います。あと、これらは正直に答えてもらうことが大前提になります。相手に「自分を改善したいから忖度なしでお願い!」などと伝えておくとより良いかと思います。
「俺とDさん、困ったときに質問するとしたら正直どっちにする?」
「俺はいつもうまく結論を出せないんだけど、もどかしい?」
ツールを利用する
もう一つは各種診断ツールを使って自分自身を見つめ直すことです。ディグラム診断、エムグラム診断、ストレングスファインダーなどをググってもらえば大体出てきます。自分自身が大事にしている価値観や、自分自身の強みなど案外自分が思っていることと違ったりしておもしろいです。
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メタ認知能力が高い人のデメリット
ここまでメタ認知能力サイコーというノリでお伝えしてきましたが、メタ認知能力が高すぎる弊害というものも存在します。
ここまでご紹介した通り、メタ認知能力の高い人は意図せずとも常に周りにアンテナを張り巡らせています。そのことから人よりも早く疲れてしまったり、気を違いすぎて疲弊してしまうことがあります。
基本的には多くのメリットをもたらすメタ認知能力。しかし時には「客観視し過ぎて疲れる自分」に気付いて、上手に息抜きというブレーキを踏む必要がありそうです。
まとめ
デキる男を目指すなら、是非とも高めておきたいメタ認知能力。メタ認知能力が高い事のメリットは以下の通り。
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- 感情をコントロールできる
- 気配りができる
- 自身の改善を繰り返す
- 見栄を張らない
- マネージャー、リーダー向け
ここでご紹介したコミュニケーション能力だけでなく、マネジメントや戦略的思考も向上し、まさにリーダーには必須能力だと僕は思っています。
そしてメタ認知能力を高める方法は次の通り。
- 一つの出来事を紙に書き出して振り返る
- 自分の棚卸をする
まずは冷静に自分を分析し、短所は短所として受け入れるところから始まります。できていない人が多いからこそ、取り組めばあなたの存在価値が飛躍的に向上します。自分磨きを頑張りましょう!!
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